生牧草について

生牧草は、耳馴染みのない方もいらっしゃるかもしれません。
昔から、競馬会、酪農、動物園などにおいて、一般的には、青い生の草のことを「青草(あおくさ)」と呼んで来ました。青草の場合は、牧草だけに限らず生の雑草、野草なども含めた総称として呼ばれています。
弊社では、土壌、品種、生産方法に徹底してこだわって育てたものを「生牧草」として位置づけ、年間365日休まず全国の草食動物たちのもとへ安定して供給しております。


生牧草の中でも、「自然との共生」をテーマにした弊社独自の
生産行程管理基準に則って栽培された確かな品質の生牧草を
「生牧草 uchinocogourmet [うちの仔グルメ]」と呼びます。
生牧草 uchinoco gourmet® [うちの仔グルメ] は、弊社の登録商標です。


全国の動物たちの健康と幸せを追求し、
生牧草の「知名度」ではなく「認知度」を高めていく取り組みの一環として、
また、弊社の生牧草に対する想いをより多くの方に知っていただくため、
2020年4月より新ブランドとして立ち上げました。


生牧草バンクで贈られる生牧草は、「生牧草 uchinocogourmet [うちの仔グルメ]」を使用しています。



■生牧草へのこだわり


農薬や化学肥料を使わない。「全国の動物たちの健康と幸せ」を追求したとき、それはもはや「当たり前で基本的なこと」だと弊社は考えます。
四季折々の豊かな自然に身を委ね、言うなれば「生牧草を自然に育ててもらう」という考え方を大切にした
「自然との共生」をテーマにした独自の農法にこだわって栽培しております。


弊社は、1999年に日本国内で有機JAS制度が正式に導入されるより前から
「無農薬有機質露地栽培」を実践してまいりました。
弊社の農法はこれまで弊社が培ってきた技術力はもとより、様々な関係者の方々のバックアップによって、
他にない独自性、安全性、安定性、高い品質性を確立しております。



■生牧草のメリット・デメリット


どんなものでも良し悪しがあると思います。
生牧草も例外ではなく、ご利用にあたっては正しく理解、納得していただいた上でご検討いただければ幸いです。


生牧草のメリット
1. 草食動物が本能で喜ぶ高い嗜好性。
2. 新鮮でより自然に近い繊維質を摂取できる。
3. 農薬や化学肥料を一切使っていない。
4. 輸入乾草のように燻蒸処理がされていない。
5. 相場変動がなく一定価格で購入可能。


生牧草のデメリット
1. 草食動物が本能で喜ぶ高い嗜好性。
2. 長期保存が効かない。
3. 虫が入る場合がある。
4. 四季折々の自然環境によって見た目など状態が変わる。
5. 輸入乾燥などに比べるとコストが高い。


生牧草についてもっと詳しく知る

生牧草は千葉県の風土が生んでいます。
「生牧草」の生産地である千葉県は長く酪農王国であり日本酪農発祥の地です。千葉市、四街道市、佐倉市、市原市も例外ではなく、戦後多数の酪農家が誕生して一大生産地となりました。栽培に適した温暖な地理的気候※に恵まれ、他の産地で栽培できない冬場の寒い時期においても栽培が可能であり、年間を通した安定供給につながっています。

※例として、千葉県千葉市の2012年から2015年までの冬場(12月から翌年2月)の期間における平均気温は6.3℃。平均降水量は74.5mm。平均降雪日数は5.75日であり、他の地域に比べて降雪が少なく温暖な地域。(気象庁発表データに基づく)

土壌は関東地域に広がる火山灰層である関東ローム層からなり、水はけが良く作物の栽培に適した土地です。関東ローム層の特徴の一つとして、無肥料の場合は痩せた土地ですが、肥料を加えることによって肥沃な土地に変えられます。その過程において窒素分を抑えながら施肥することで硝酸態窒素濃度をコントロールできるのです。生の草は窒素分過多になると葉が青々と濃い緑色になり、人間の見た目には良好に見え、伴って硝酸態窒素濃度が上昇する特性があります。単胃動物である馬の場合はほぼ心配いりませんが、反芻動物の場合、無理に多給すると硝酸態窒素中毒を起こし死に至ることがあるため、硝酸態窒素濃度をコントロールしながら安定的に栽培を行い、毎日欠かさず硝酸態窒素濃度の計測を行っています。

厳しい生産行程基準を満たしています。
弊社の生牧草は、全国の草食動物たちに安心して口にしてもらえるよう、日本生牧草協会が定める厳しい生産行程基準に則って生産しています。

※日本生牧草協会は「生牧草」ブランド保護のため10名の有志により2015年に設立された組織です。生牧草の栽培、出荷等の基準を定め、動物にとって安心、安全と呼べる生牧草の普及活動のほか、生牧草を活用した日本酪農発祥の地「嶺岡牧」再生活動などを行っています。

生牧草の歴史。
1972年 競走馬用の飼料として、金子牧場(中央牧草センター)、および千葉市、四街道市、佐倉市、市原市の酪農家が協力し、中山競馬場(JRA)に供給開始。現在に至るまで合計44年間、その生産を継続しています。
1975年 金子牧場が生牧草の生産部門を株式会社中央牧草センターとして法人登記して、中央牧草センターが地方競馬場に供給開始しました。
1977年 牧草種子大手の雪印種苗株式会社がイタリアンライグラス(エース)を完成させたことにより、イタリアンライグラス(エース)を用いた「生牧草」栽培の方向付けがなされ、作付から出荷まで一元的に中央牧草センターが中心になり、千葉市、四街道市、佐倉市、市原市の酪農家と協力し取り組んだ結果、冬場でも安定供給できる良質な緑の「生牧草」として広く認知されました。
1990年 個人の草食動物愛好家の方からの要望に応え、生牧草の小売販売を中央牧草センターがスタート。
1998年4月 ヤマト運輸「クール宅急便」を使った全国初の「生牧草」の産地直送を中央牧草センターがスタート。
2014年2月 歴史的な40年ぶりの大雪被害により、多数の動物園が飼料不足に陥り、冬場でも安定して供給できる「生牧草」を中央牧草センターが緊急的に供給。
2015年2月 米国西海岸港湾ストライキの影響で多数の乗馬クラブや個人飼養者が飼料不足に陥り、中央牧草センターが「生牧草」を安定して供給。
2015年5月 「生牧草」ブランド保護のため10名の有志により日本生牧草協会を設立。
2015年8月 農林水産省「地理的表示制度(GI:Geographical Indication)」申請~受理~公示へ。